アニャンゴが、世界初の女性ニャティティ奏者となって3年。待望のソロアルバムがついにリリースされた。
ニャティティのグルーヴとAnyangoアニャンゴの突き抜ける歌声があなたの魂を揺さぶる!
ラブコールが絶えなかった日本語による歌詞。ニャティティの多重録音。
新しい境地を切り拓いたDiva(歌姫)から、目が離せない!
1. Thum Nyatiti
2. Dodo Jayiem Ne kadonjo Memba Jeri
3. マタトゥに乗って
4. Janeko/ Ja Ugenya (Live at Kericho)
5. Nabed nade gijo pinje
6. Koblo
7. きみのこえ
8. Seda (Live at Siaya)
9. Weche ng’eny
10. Nyadundo gacha ywak pile
11. Ne nyako ma go ogol ogol
12. Thum mora
13. Thum Nyatiti (Pakruok)
浜松市楽器博物館館長 嶋和彦
民族音楽の演奏はその民族の演奏でないと本物ではない、と言う人がいるがどうだろう? そんなことを言ったら、ピアノやヴァイオリンの日本人による演奏はどうなるのか。今や日本人による西洋音楽の演奏は西洋人に勝るとも劣らない。であるならば、日本人によるアジアやアフリカ音楽の演奏も、同じレベルに達するはずだ。インド音楽でもペルシア音楽でも、すでに素晴らしい日本人奏者が誕生し活躍している。アフリカ、ケニアのニャティティの音楽には、そう、アニャンゴこと向山恵理子が確かに存在するのだ。
2007年に彼女と初めて会った時、なんとエネルギーあふれる魅力的な女性だろうと思った。はちきれんばかりのパワー、知性と情熱、話の端々にあふれるケニアへの愛。すでに日本ケニア文化親善大使になっておられたが、その活動はその後もますます充実し今日に至っている。そして、先日はニューズウィーク日本版の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた。
ニャティティは数あるケニアの民族のひとつルオ族の、男子だけに演奏が許された伝統楽器である。ギリシア神話に出てくるリラに一見似ている。現地の人はケニアのギターだというが、ハープと言った方が楽器学的には正しい。イチジクの木をくりぬいた半球状の胴に牛の皮を張る。8本の弦は今はナイロンだが昔は雌牛のアキレス腱。楽器を地面に横に寝かせて奏者も座り両手の指ではじく。サワリが効いてビリビリ鳴る。右足首にはガラと言う鉄の鈴、右足親指にはオドゥオンゴという鉄の輪をはめ、ニャティティの木の縁に打ち付けて鳴らしリズムを取る。そして歌う。ストリング、パーカッション、ヴォーカルの3 役を1人でこなすのだ。演奏法も音楽そのものもマスターするには難しい楽器である。彼女は世界初の女性ニャティティ奏者となったが、 その詳しい経緯は著書「夢をつかむ法則」(角川学芸出版)に詳しい。